一人ひとりの
可能性を引き出す
生徒たちの可能性は、特別な才能の中ではなく、日々の小さな「できたこと」の中にあります。だからこそ、対話を通じてその“できている”を見つけ、言葉にし、自分の中に積み上げていくことが大切だと考えています。
自己肯定感は、ただ気持ちを上げるものではなく、失敗しても戻ってこられる土台です。その土台があると、人は自分軸で「ありたい姿」を描けるようになり、次の一歩を選べるようになります。永谷研一は、教育の現場で起きるその小さな行動変容を積み重ね、学校と社会に前向きな変化をつくり続けたいと願っています。

なぜ自己肯定感が下がるのか
誰もがスマホを持ち、SNSを見る時代は、誰かと比較することが多くなってしまいます。
自信をもって前に進みたいと誰もが願いますが、そうはならない現実があります。
人は欠けたところに目がいく習性があります。これはいい悪いではなく、人の習性なのです。
この習性はストイックに成長したい人にはよいかもしれませんが、自己肯定感にはマイナスに働きます。
できたことがたくさんあるのに、人は失敗したこと、ダメだった方を先に見てしまうのです。
ここをなんとかしたいものです。私たちは誰もが幸せになるために生まれてきたはずです。

できたことを見つける3つのメガネ
人は誰でも信じている自分への思い込みがあります。深層心理のフィルターですね。(ビリーフといいます。)
欠けたこと、ダメだったことを見る習性を、丸(できたこと)を見る目線にかえたいのです。
そこで「できたことを見つけるためのメガネ」を開発しました。

毎日5分。1日を振り返ってできたことを1から3つ、見つけていきます。
最初は慣れないかもしれませんが、だんだん慣れてきます。素朴なことほどいいということがわかってきます。
次第に「私ってけっこういけてる!」「やってるわ」「日々幸せがたくさんあるね」とマインドが前向きになっている自分に気づけるようになります。もうネガティブなビリーフからはおさらばです。

「できたことノート」のできたことメモ事例
自分に問いかける力。内省力を育てる。
私は行動科学の専門家です。今まで1万人以上の人の「行動を変える」を応援して参りました。
長年多くの企業や学校で人材育成に携わる中で気づいたことがあります。
誰もが自分なりに一生懸命取り組んでいるという事実です。要はがんばっているんです。
ただその行動が、目標達成に対して効果的でなかったり適切でなかったりして、自分の理想に近づいていけないもどかしさを感じている人も多いことがわかりました。
自分で気づき行動を変えていくには経験を振り返るしかありません。(内省:リフレクションといいます)
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自分の行動はどうだったのだろうか
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果たしてこのままでいいのだろうか
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もっと改善すべきことがないだろうか
と思考するのです。
でも「考えろ」と言われて考えられるほど簡単なものではありません。
強制しても一時的にはいいかもしれませんが、次第にやらされ感でモチベーションが下がることだってありえます。そこで私は自分からやりたくなる「振り返りの技術」として思考したら、自分にとって適切な行動を見出せるのではないかという「振り返りのメソッド」を開発して、お伝えしています。

振り返りをするためのリフレクションシート
主体性を育てるとは
「できたことか ら行動を変える価値」
自分の理想を実現したり目標に近づくためには「新たな行動を起こす」という主体性を発揮するしかありません。それは、誰でもわかっていることです。ところがなかなか動けないのが人間です。なぜでしょうか。
それは、「できなかったこと」から反省して、なんとかしなければという恐怖の思考になっているからです。
できなかったことは強い不安を呼び起こします。
すると人は逃避の行動になります。
そんなことない、私は強い人間だから大丈夫と思い込んでいても、それは一時的なことです。
そのストイックが継続できるかというと難しいでしょう。
一方で、「できたこと」から内省して思考したらどうでしょうか。
やった!というマインドが上がっている状態です。
そこで先ほどの自問です。このやり方はベストではないな。改善することろあるね。と。
すると不安が起きてきます。足りてない自分と向き合いますので。
でも大丈夫。できたことで自己肯定感が上がっている状態での思考ですので、不安といっても「適度な不安」となります。するとその不安から脱却するために「今度はこれをやってみよう!」と新たな挑戦行動が起きるのです。そうです。不安ですが強い不安からは逃避が生まれ、適度な不安からは挑戦が生まれるのです。
挑戦行動が実際「できた!」とき、自分で考えてた行動が実際できたときに「私はやればできる」といった自己効力感が育つのです。まさに自信が生まれる瞬間ですね。
これが主体性を育てるということに他なりません。


講演をやりっぱなしにしない
生徒・教員・保護者の三位一体
今まで多くの学校で生徒向けの講演会を行ってきました。それなりに盛り上がり、楽しい時間を過ごしてきましたが、私には違和感が消えませんでした。「やりっぱなしになっていないか」と。
自己肯定感や行動を変える技術、感情を見つめる技術を教えても、その時だけで継続していない事実があったのです。子供たちに学びが定着しなければ、講演会をやった意味はありません。
長年、行動変容にコミットしてきた私としてはなんとかせねばと考えました。
学校の学びのファシリテーターは教員です。
教員が日々の見取りの中で生徒たちに働きかけて動機付けているのです。ならば、その教員に私のメソッドを理解してもらった上で生徒向けの講演会を行えば、クラス学級経営の中で活かし続けていただけるのではないかと考えました。私が大学で教えている教育技術を伝えることは教員にとっても有効なのではないかと考えました。教員研修を生徒講演会の前に必ず実施するのはそういった考えがあります。
一方で保護者の課題にも気づけました。
日々仕事をしながら子育てに奮闘している姿があります。でも保護者だって人間です。自分の子育てで良いのだろうかと悩むことも多いのです。子供たちの学校以外のもう一つの重要の居場所はもちろん家庭です。その家庭の中で、親子のコミュニケーションが生きる力を育むベースになるのです。ならば、できたことからのアプローチがどれだけ効果的かを保護者の皆さんにも実体験をしてもらう中で理解してもらうことは有効ではないか。と考え、保護者やPTAでの講演会も積極的に行っています。
ここまでくると三位一体。
生徒を中心に、学校と家庭がバックアップしている仕組みが出来あがります。
私が、生徒、教員、保護者の3つの講演会や研修を行なっているのはこのような理由によるものです。
