SELを特別な授業ではなく、学校文化に。
「できたこと」から、社会情動的スキルを育む。
永谷研一が学校現場で実践している「できたことノート」は、毎日の小さな「できたこと」を見つけ、仲間と共有し、自分自身を振り返り、次の行動を考える活動です。特別な時間だけで学ぶのではなく、学校生活の中で繰り返し実践していきます。
これらの「できたことノート」の継続的な振り返りと対話を通して、SEL(Social and Emotional Learning)で重視される自己理解・他者理解・対人関係・セルフマネジメント・責任ある意思決定につながる力を育みます。

※SEL(Social and Emotional Learning/社会性と情動の学習)とは、自分の感情や行動を理解・調整し、他者とよりよい関係を築きながら、自ら考えて行動する力を育む教育的な枠組みです。
学校全体でSELを実践する。
その入口が「できたことノート」です。
「できたことノート」の一連の実践・活動そのものが、SELの5つの領域に関わる力につながっています。

1. できたことを見つめて、自分軸を見つけ「自己理解」につなげる
「今日、自分は何ができた?」
毎日の小さな行動を振り返ることで、結果だけではなく、自分が実際に行動したことに目を向けます。
人と比較するのではなく、「昨日の自分」「今日の自分」を見る。
その積み重ねから、
「自分はこんなときに頑張れる」
「自分はこれを大切にしている」
「自分にはこんな良さがある」
と、自分自身への理解が深まっていきます。
自分の「できたこと」を見つけることは、肯定的な自己認知を育て、自分軸を見つけていく入口になります。
2. 他者のできたことを見つけて「他者理解」につなげる
自分のできたことだけではなく、友だちや仲間の「できたこと」にも目を向けます。
同じ一週間を過ごしていても、大切にしていることや、頑張ったことは一人ひとり違います。
他者の「できたこと」を知ることによって、
「そんなことを頑張っていたんだ」
「こういう考え方もあるんだ」
と、自分とは違う相手の思いや価値観に気づくきっかけが生まれます。
3. 相互フィードバックで「対人関係」につなげる
「アゲアゲワーク」では、ペアになって、その週の「ベストできたこと」を伝え合います。
大切なのは、ただ褒めることではありません。
相手の話を聞き、「共感+質問」による相互フィードバックを行います。
「それ、うれしかったんだね」
「どんなところを頑張ったの?」
「どうしてそれができたと思う?」
自分の話を聞いてもらう。相手の話を丁寧に聞く。
こうした対話を繰り返すことが、人と関わる力を育てていきます。
4. 目的思考でベストできたことを内省し「セルフマネジメント」につなげる
一週間の中から「ベストできたこと」を選び、その行動についてさらに深く振り返ります。
そのとき、自分は何を考えていたのか。どんな感情があったのか。なぜ、その行動ができたのか。
感情と認知を整理しながら、自分自身を客観的に見つめます。
「なんとなく頑張った」で終わらせず、自分の行動や感情を言語化する。
その繰り返しによって、自分自身の状態に気づき、自分の行動を整えていく力につなげます。
5. ありたい姿から次の行動を考え「責任ある意思決定」につなげる
振り返りのゴールは、「できた」で終わることではありません。
できたことから自分自身を理解し、「自分はどうありたいのか」を考えます。
そして、その「ありたい姿」に向かって、「では、次に何をしてみるか」を自分で決める。
先生に答えを与えてもらうのではなく、自分自身で次の一歩を考える。
「できたことノート」は、過去を振り返るだけのノートではなく、未来の行動変容へつなげていくためのノートです。
学校現場では、
すでに実践が始まっています。
静岡県内の学校では、「できたことノート」を学校教育の中に取り入れ、子どもたちの自己肯定感や非認知能力を育てる取り組みが進んでいます。
詳しくは各校の校長先生に「できたことノート」の実践についてお聞きしたインタビュー記事をご覧ください。



